今更感もあるのだが、論創社のHPに発売予告が載っている。
それによると第3巻発売は12月25日であり価格は未定となっているが、おそらく2巻より高くなるのは間違いのないところだろう。
それだけの内容であるからには仕方のないところではあるが、何かと物いりである年末にまた金が出ていくわけである。
だが、3巻の発売成績が良ければ4巻という話しもでてくるであろうから、なんとか売れてくれるように祈るばかりである。
ただし、大人向け探偵小説の単行本未収録作品はそれほど数が残っていないだろうから、中絶作を入れるようにすれば良いのにと個人的には思う。中絶作にけっこう興味深い作品があるのだ。
あとは人形佐七物に改稿されてしまった捕物帳のオリジナル版。横溝正史最初の捕物帳である不知火甚左、鷺十郎、朝顔金太、左門捕物帳といったところがある。
あるいは南無三甚内とか紫甚左なんてのもあるが、これらを収録するのはいかがなものであろうか。
あとはエッセイの類である。Ⅰ・Ⅱと数多くのエッセイもまた収録されてきたが、私の知る限りまだまだ多くのエッセイが未収録である。それはブームの頃に書かれたものが多い。横溝正史ブームと呼ばれた時代の流れの中で、当の横溝正史が何を考えていたかを知るに貴重な資料である。ただし提灯持ちみたいなエッセイもある。
ブームの頃といえば、対談・会談も数多くこなしておられた。これらも新聞雑誌に掲載されっぱなしである。
以下は私の昔話。
私がまだ10代の頃だったが、当時角川文庫の解説を多く書かれていた中島河太郎先生に手紙を出したことがある。
その内容は、金田一耕助物の長編化した作品の元の短編を編んだ本を出してもらえないだろうかと懇願するものであった。当時、角川文庫に収録されている作品以外にも、そういう表に出ていない作品が多数あることを、中島河太郎リストで知ったからである。
だが、その当時の中島先生からの返信はつれないものであった。そういうものは長編化されていて、それらを出すと云うことは二重売りになるし、横溝先生自身がそういう古いものを出すことを嫌がっているという内容のものであった。
パシフィカの「名探偵読本8 金田一耕助」に、金田一耕助の登場しない短編「悪霊」(後の「首」の原型作品)と「扉の中の女」(後の「扉の影の女」)が収録されたことがある。
私が中島先生に手紙を出したのは、おそらくその金田一耕助本の発売される前であったと思う(探せばその返事の葉書がどこかに保存してあるはずである。かつて2002年の横溝正史オフの時にその葉書を持参し、展示したことがある)
現在ではそういう作品を集めた単行本が出ている。「金田一耕助の新冒険」「金田一耕助の帰還」(共に出版芸術社刊)、「青蜥蜴」(双葉社刊)などである。
そういう経験をしているだけに、「そういうもの」を集めた単行本が出ると聞いた時には、嬉しい反面、私が言い出しっぺだったのにという思いがあったことは否めない。本当に私が言い出しっぺだったかどうかはわからないが、おそらくそういうことを考えた最初期の人間であろうとは思っている。
まあそれがきっかけのひとつとなって、国会図書館をはじめとする各地の図書館・文学館で、横溝正史単行本未収録作品を探求するようになったのは事実である。
つまらない昔話がいささか長くなったようである。このへんで止めておいた方が利口というものであろう。
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